【ソードの9】悲しみの乗り越え方と癒やしのプロセス

ソードの9の開運解説 小アルカナの世界

ソードの9が象徴するキーワード

正位置:不安、絶望、心配、恐怖、憂鬱、悪夢、孤独

逆位置:混乱、現実逃避、秘密、心配の解消

ソードの9の解説・解釈

「ソードの9」は、ベッドに座って、両手で頭を抱えている人物を描いています。恐ろしい悪夢から目覚めたのか不安で寝付けずにいるようです。このカードは、後悔や恐れ、不安、悲しみが押し寄せて眠れない夜を象徴しています。

背後の暗い壁にかかる9本の剣は、多くの未解決の問題や悩みやその絶望を表しているようです。ベッドには、ある人物が別の人物を倒している彫刻が施され、大切な人や大切な感情を失ってしまったことを示唆しています。

占気ユウ
占気ユウ

娘イピゲネイアを(実の父アガメムノン)に生贄に出されたクリュタイムネストラーの悲嘆や、親友パトロクロスを敵の王ヘクトルに討ち取られたアキレウスの怒りや後悔を感じるモチーフですね

くらげさん
くらげさん

ギリシャ神話の話ばかり・・・

ソードの9から学ぶ【ぶっとび考察】

ソードの9イメージ

タロットカードの大アルカナは運命や転機、人生で避けられない出来事や重要な学び、精神的成長など大きなテーマや課題を象徴し、小アルカナは日常の小さな選択や小さな出来事など現実的な人間関係や課題を象徴しているといわれています。

だからこそ小アルカナの1枚1枚を大切に読み解き、日常に潜む小さな気づきを大切にしたいと感じます。

私が小アルカナ「ソードの9」から学んだ、ぶっとんだ「毎日にそっと寄り添う、小さな魔法」をお伝えします。

悲しみの夜に寄り添うカード

「ソードの9」が象徴するような悲しみや不安ばかり募る眠れない夜、世界に取り残されてしまった感覚や終わりのない恐怖に襲われることがあるのではないでしょうか。

しかし、ソードの9が示しているのは、「この悲しみは永遠には続かない」ということです。今は絶望に感じても、時間とともに心は変化し、少しずつ前に進む力を取り戻すことができます。

悲しみを押し込めないことの大切さ

大きな個人的な悲しみを経験したとき、「早く元気にならなければ」「前を向かなければ」と焦る人がいます。しかし、死別などの悲嘆をケアするグリーフケアの基本は、まず「しっかり悲しむ」ことといわれています。

占いや相談の現場で、「希望に満ちたカード」や「前向きなアドバイスの言葉」を聞いた瞬間、すぐに「救われた」と感じて笑顔を見せる方が多くいます。しかし、その場限りの言葉では根本的な癒しにはつながりにくく、時間が経つと再び同じ悩みに直面してしまうことがあるのが現実です。

ひとの心は振り子のようなもの。傷を受けた心は、不安を感じない元気な日もあれば、また急に孤独感に苛まれたりする日を繰り返していきます。

たとえば、大切な人とお別れした直後は、思い出の品を見るだけで涙が出るかもしれません。写真を見ても、声を思い出しても、心が締め付けられることもあります。これは自然な反応です。

無理に気持ちを切り替えようとせず、「今は悲しいんだ」と自分の感情を認めることが、癒しの第一歩になります。

「感じる」ことで癒しは進む

ソードの9のカードの人物が対峙している剣は、心の中にある痛みや葛藤を表しているように思います。この剣を無理に取り払おうとするのではなく、「ここにある」と認めることで、少しずつ痛みは和らいでいきます。

たとえば、喪失を経験した人が「今日は少しだけ思い出話ができた」と気づく日が来るかもしれません。あるいは、ふとした瞬間に、亡くなった人との楽しかった記憶がよみがえり、微笑むことができる日が来るかもしれません。

同じような悲しみの中にも、小さな変化が生まれるものです。

悲嘆(グリーフ)と向き合うための5つのポイント

  • 感情を否定しない
    「泣いてはいけない」「悲しんではいけない」と思わず、どんな気持ちも自然なものとして受け入れましょう。
  • 時間をかける
    日本人の悲嘆は他の国よりも長引くというデータもあります。無理に立ち直ろうとせず、ゆっくり自分のペースで。
  • 支えを求める
    家族や友人、カウンセラーなど、信頼できる人に話を聞いてもらうことは大切です。
  • 自分を大切にする
    食事や睡眠をしっかりとり、体をいたわることも、心の回復には重要です。
  • 少しずつ日常に戻る
    いきなり前向きにならなくても大丈夫です。無理のない範囲で、できることから再開してみましょう。
いつか光が見えるとき

ソードの9の人物は、今は悲しみに沈んでいます。しかし、このカードが伝えるメッセージは、「ずっとこのままではない」ということです。

悲しみを抱えながらも、少しずつでも日常に戻っていく。その過程を大切にすることで、やがて新しい希望が見えてくるのではないでしょうか。

小アルカナから学ぶ【未来を変える、小さな魔法】

小アルカナは、日常生活や具体的な状況を象徴するカードだからこそ、私たちの身近な出来事や感情に深く寄り添ってくれる存在だと思います。

派手さや目を引く象徴性では大アルカナに譲る部分があるかもしれませんが、小アルカナの中に隠された、私たちの日々の選択や課題を丁寧にリーディングすることで、その中に秘められたメッセージや可能性を見つけることができると信じています。

私もこれまで、悩みを相談して「大丈夫だよ」や「なんとかなるよ」と言ってもらうと、その瞬間は心の支えになることがありました。しかし、具体的にどう行動すればいいのかは分からず、結局は立ち止まったままでいる自分に気づくことも多くありました。そんな中で、タロットカードの世界の解釈に触れ、少しずつ楽に生きられるような考えが出来るようになりました。

不思議なことに、考え方を変えることで私たちの運命も大きく変わります。

無理なく自分らしい見せ方や立ち振舞いを知ることで、自然と人が寄ってきたり、運が良くなることもあります。どんな困難があっても、無理をせず「大丈夫、なんとかなる」と思えるようになる。それこそが、まさに「日常をやさしく変える小さな魔力」です。そんな技術をお伝えしたいと思っています。

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