【ソードの2】判断することに疲れないために

ソードの2の開運解説 小アルカナの世界

ソードの2が象徴するキーワード

正位置:葛藤、現状維持、検討、難しい決断

逆位置:混乱、優柔不断、その場しのぎ、情報過多

ソードの2の解説・解釈

「ソードの2」は、目隠しをして剣を交差させている人物が描かれており、その姿は直感的に迷いや葛藤を表しているように見えます。このカードは、二者択一の選択の場面や、感情を抑えながらも冷静さを保つ必要がある状況を象徴しています。彼女が持っている2本の剣は、完璧なバランスで保たれており、彼女が状況の両面に対処して最善の解決策を見つけようとしていることを示しています。

ソードの2から学ぶ【ぶっとび考察】

ソードの2イメージ

タロットカードの大アルカナは運命や転機、人生で避けられない出来事や重要な学び、精神的成長など大きなテーマや課題を象徴し、小アルカナは日常の小さな選択や小さな出来事など現実的な人間関係や課題を象徴しているといわれています。

だからこそ小アルカナの1枚1枚を大切に読み解き、日常に潜む小さな気づきを大切にしたいと感じます。

私が小アルカナ「ソードの2」から学んだ、ぶっとんだ「毎日にそっと寄り添う、小さな魔法」をお伝えします。

ソードの2から考える善悪の判断を手放す意味

日々の生活の中で、私たちは何かを判断する機会が多くあります。「これは良い」「これは悪い」といった即断が、私たちを安全に導いたり、効率的な選択を助けたりすることもあります。しかし、一方でその判断が、自分自身や他者に不必要な負担をかけていることに気づくこともあります。

「ソードの2」は、判断を急がない時間を作ることの重要性を教えてくれるカードです。目隠しをしている人物が示すのは、外からの情報に頼らず、自分の内側を感じ取る姿勢です。剣を交差させている動作は、どちらか一方に偏るのではなく、一時的に均衡を保つ行為とも解釈できます。

清濁併せ呑む、善悪を判断しない日を設ける

SNSやネット記事のコメント欄を眺めていると、「あいつが悪い」「こんなことをするなんてひどい」といった非難や批判的な言葉を多く目にすると思います。たくさんの人が何かしらの事件やゴシップに対して善悪をはっきり決め、そのどちらかの立場に立って(日常生活では使わないような言葉で)コメントしている様子がうかがえます。

これらのゴシップやセンセーショナルなニュースは、しばしば人々の注目を集めるために”盛られている”ことが多いので、時間が経ち正確な取材が行われると、初めに報じられた善悪が逆転する、なんてことも珍しくありません。そしてさらに次の新しい情報でさらに逆転する、なんてこともあるのです。

こうした情報の変遷を見ると、物事をすぐに善悪で判断することの危うさを感じざるを得ません。また、即座に”どっちの味方につこうか”などと反応しがちな私たちの習慣にも注意が必要です。

善と悪を保留にするという選択

私たちには、最善の判断をしたいという願望があります。それは判断を間違えた時の損失を恐れている、という側面もあります。その思いが強すぎると、「ソードの2」のように身動きがとれなくなってしまうこともありますよね。

ここで思い出したいのが、古代中国の寓話「塞翁が馬」の話です。ある老人が飼っていた馬が逃げたとき、村人たちは「災いだ」と嘆きましたが、老人は「災いかどうかは分からない」と答えました。その後、馬がたくさんの馬の仲間を連れて戻り、村人たちは「幸運だ」と喜びましたが、老人は同じように「幸運かどうかは分からない」と言いました。この話は、物事を即座に善悪で分けず、長い目で見ることの重要性を教えています。

同じように、「ソードの2」は、一時的に善悪を判断しないことで、新たな視点や可能性を見出す機会を与えてくれるカードです。たとえば、ある出来事がすぐには理解しがたい困難に見えても、それが後に大切な学びや成長のきっかけになることがあります。

「決断疲れ」とその対策

コーネル大学の研究によれば、人は1日に35,000回もの決断を無意識・意識的に行っているといいます。例えば、朝起きてから「何を着よう」「何を食べよう」「帰りにドラッグストアで歯磨き粉を買おう」といった日常的な小さな決断から、仕事や人間関係に関わる大きな決断まで、さまざまです。

しかし、この膨大な決断の積み重ねは「決断疲れ」を引き起こします。これは、1日のうちに繰り返し行われる決断によって、脳のリソースが消耗してしまう状態です。その結果、重要な場面で適切な判断ができなくなることがあります。

私たちが日々直面する情報や決断の多さは、現代社会の特徴ともいえます。その中で、他人の善悪を決めつける前に一歩引き、情報の正確性や自分自身の心の状態を見直すことが大切です。塞翁が馬という言葉のように、物事の結果や評価は状況によって変わるものです。すぐに判断せず、「ソードの2」のように余裕を持って対応することが、心の健康を保つ鍵となるでしょう。

小アルカナから学ぶ【未来を変える、小さな魔法】

小アルカナは、日常生活や具体的な状況を象徴するカードだからこそ、私たちの身近な出来事や感情に深く寄り添ってくれる存在だと思います。

派手さや目を引く象徴性では大アルカナに譲る部分があるかもしれませんが、小アルカナの中に隠された、私たちの日々の選択や課題を丁寧にリーディングすることで、その中に秘められたメッセージや可能性を見つけることができると信じています。

私もこれまで、悩みを相談して「大丈夫だよ」や「なんとかなるよ」と言ってもらうと、その瞬間は心の支えになることがありました。しかし、具体的にどう行動すればいいのかは分からず、結局は立ち止まったままでいる自分に気づくことも多くありました。そんな中で、タロットカードの世界の解釈に触れ、少しずつ楽に生きられるような考えが出来るようになりました。

不思議なことに、考え方を変えることで私たちの運命も大きく変わります。

無理なく自分らしい見せ方や立ち振舞いを知ることで、自然と人が寄ってきたり、運が良くなることもあります。どんな困難があっても、無理をせず「大丈夫、なんとかなる」と思えるようになる。それこそが、まさに「日常をやさしく変える小さな魔力」です。そんな技術をお伝えしたいと思っています。

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