タロットカード『2.女教皇』の物語
女教皇のカードは、高い品格と静かな気配を感じさせるカードです。彼女は、潔白なベールと青い衣裳をまとい、穏やかに椅子に座っています。ライダー版(ウェイト=パメラ版)タロットカードの製作者であるアーサー・エドワード・ウェイトは、この女教皇を”このカードが大アルカナの中で最も高位かつ神聖である点はいくつかある”と言っているように、この絵の中に様々な秘密がちりばめられてます。

(秘密結社のシンボルでもある)B (ボアズBoaz)、J (ヤキンJachin)と書かれた黒と白の柱、生命の樹のデザインで配置されたヤシとザクロの刺繍、足元に置いてある三日月、女教皇の角のある王冠や胸の(太陽のシンボルである)太陽十字、そして彼女の手に握られた「TORA」と書かれた紙は、宗教的テキストであると同時に、女教皇が持つ智慧の証でもあります。
そもそも女教皇(女祭司長)というポジションは現実世界では存在しないため、その存在自体が謎に包まれています。エジプト神話の豊穣の女神イシス、ギリシャ神話の月の女神アルテミス、冥界のザクロの粒を食べたペルセポネ(冥界の女王)やその使者を象徴しているとされ、目に見えない世界や潜在意識に隠された秘密の智慧の門番や守護者であることを示唆しています。
正位置のキーワードから連想する
女教皇が正位置の場合、
無意識、直感、神秘、精神性、高次元の力、内なる声などを象徴しています。
女教皇が正位置に現れた場合、キーワードは「相反するものを承認する」ことや、陰と陽、男性と女性、善と悪、否定と肯定と感性と理性いった二面性も表しています。
また、ウェイトは”つまり彼女は借り物の光の女王であるが、それはすべての光である””正しい人が律法を読む時、彼女は神聖な意味を与える”と残していて、彼女が太陽の光を受けて輝く月の女神であること、そして(キリスト教義的に)正しく生きる人には真実の神の言葉を授けるということのようです。

心を清らかにカードと向き合いましょう
正位置の女教皇の占い解釈例
冷静な判断が必要。浪費に注意。
静かな愛情。心のつながりを大切に。
表面よりも内面を見極める時期。
知識を深め、慎重に行動することで成果が出る。
イエスかノーかで判断すると….
状況次第でしょう
☆YES・NO一覧表はこちら

逆位置のキーワードから連想する
女教皇が逆位置の場合は、
抑圧された直感、隠された動機、表面的なこと、混乱、認知的不協和、という意味になります。
逆位置の場合、他人の意見に左右されたり、自分の直感に従っていない可能性があります。本当に大切なことを見落としていないか、自分を忘れていないか、自分に問いかけてみてください。
タロット占いの最中に、カードが逆位置(上下逆さま)で出た場合、そのカードの持っている意味や解釈が変わってきます。一般的には「意味が反転する」「意味が弱まる」「エネルギーが過剰になる」など、さまざまな解釈や理解があります。例えば、「歓喜」という意味の場合には、
正位置 | 反転(逆) | 弱まる(逆) | 過剰(逆) |
---|---|---|---|
歓喜 | 失望 | ささやかな喜び | 陶酔 |
このように、嬉しさが失望や落胆に変わったり、ちょっとした嬉しさ程度の意味になったり、現実が見えなくなるくらい快楽に浸る、というような可能性を持つカードの解釈になってきます。
逆位置の女教皇の占い解釈例
投資や金銭に関する直感が鈍っている時期。慎重に。
秘密や隠された感情がある。慎重に情報を扱うとき。
誤解や隠された意図が生じやすい時。表面だけでは判断できない。
情報不足、または秘密にされていることがある。慎重な判断が求められる。

カードとインスピレーション
「内なる知識」や「直感」を表すこのカードには、あなたの中で高まっている直感力と精神的洞察力が反映されています。そして、「考えるのではなく、感じる」ように、その直感に耳を傾ければ耳を傾けるほど、その力が強まることを伝えています。
あなたがこのカード引いた時、「女教皇 タロット 意味」などで検索をした時、どのような気持ちで、どのようなことを占っていたのでしょうか?
その時のあなたの心理状態は分かりませんが、現状に満足しておらず、自分のイメージする世界に自信が持てなかったり、現実的な声や意見に漠然とした不安を感じていたのかもしれません。もしかしたら、「もっと自分の価値観と向き合うべき」と潜在的に心に秘めていたのかもしれません。
しかし、偶然、このサイトに辿り着いたあなたに、「女教皇のカード」に代わって、私から問いかけさせていただきます。
あなたはなぜ自分の直感を信じないのですか?
女教皇の問いかける「直感のスキル」
タロット占いをしている時、「大アルカナ」は僕たちに「スキル」を問いかけてきていると思っています。そして、そのスキルとは、100年以上かけて占いを繋いできた人々の知恵であり、人生を生き抜くための技術であると思います。
では、女教皇の問うスキルとは何でしょうか?
それは、「目に見えない真実を読み取る技術」のことだと思います。
女教皇のカードに出会った時、そのメッセージを言葉にすると、「静かに自分の心と向き合い、ひらめく知恵に耳を傾ける」そのために「注意を内側に向けれるような環境をつくる」こと、につながってきます。たとえどんな問題や悩みを抱えていたとしても、表面や外側にではなく内側に解決方法がある場合は多くあります。自分の考えや気持ちを自分で理解し、納得することが最善の解決策につながることがあります。
あなたが求める疑問や答えを見つけるには、まず自分自身の内側を探る必要があると、大アルカナの中で最も高位かつ神聖な「女教皇のカード」は伝えてくれています。