ワンドのペイジの一般的な説明
ワンドのペイジは、「情熱・好奇心・行動力のはじまり」を象徴するカードです。
ワンドは“火”のエレメントに属し、やる気や創造性、挑戦する意欲を表します。その中でもペイジは「見習い」や「まだ経験の浅い若者」。つまりこのカードは、「何か新しいことを始めたい!」という、まさに初期衝動の瞬間を描いています。
彼はワンドを見つめながら、まだ見ぬ世界に思いを馳せています。
その姿は、誰の心にもある「やってみたい」という純粋な火花のような情熱そのものです。
ライダー版(ウェイト=パメラ版)タロットカードの製作者であるアーサー・エドワード・ウェイトは、「彼は世間的には無名だが誠実で、彼がもたらす知らせは奇妙なものである」と、ワンドの火の要素が持つ、突発的で情熱的なエネルギーや、常識を打ち破るようなインスピレーションを表しています。
カードに描かれた象徴

ワンドのペイジが立つのは、草木の少ない荒野。
一見、生命の気配が乏しい場所ですが、彼のワンドには小さな新芽が顔を出しています。
これは「何もないところに、新しい情熱が芽生えること」を表しています。
まだ形にはなっていないけれど、心の奥に希望の種が確かに存在している。それが、このカードの根底にあるメッセージです。
コートカードは「重要参考人」!?
タロットの世界では、大アルカナが「運命の転機」、小アルカナ(数札)が「日常の具体的な出来事」を示します。
では、コートカード(人物札)はというと、それは、あなたの人生に関与している登場人物、または重要な情報をもたらすキーパーソンを表しています。
時にロールモデルとして、時に反面教師として、人生のヒントを与えてくれる存在の彼・彼女らは、あなたの身近にいる人物かもしれないし、また、主人公自身が黒幕だった映画のように、自分自身を象徴している場合もあります。
コートカードの4つの読み方
コートカードは、次の4つの観点から読むことができます。
① 実際の人物:周囲の特定の人
② 状況:カードのエネルギーが反映した状況
③ 成熟のレベル:エネルギーの段階(ペイジ=未熟、キング=成熟)
④ 自分の内面:あなたの本心・今の気持ち
では、ワンドのペイジをそれぞれの観点から見てみましょう。
① 身近な人物としてのワンドのペイジ
ワンドのペイジは、無邪気な情熱家。
まだ実績はないけれど、「自分にはできる!」と信じることをためらわないタイプです。以前の記事で、私は彼に「わくわくコロンブス」というあだ名を付けました。彼・彼女は、常に新しいものに好奇心を向け、興味のあることを次々に発掘していく人です。
あなたの周りにもいませんか?
「これ絶対バズりますよ!」と目を輝かせて言う後輩や、
「これ知ってます?」と新しい話題を持ってくる人。
彼らの魅力は、経験よりもその熱量にあります。
時に空回りしても、その純粋な火花は、周りを笑顔にし、停滞していた空気を動かすのです。
② 状況としてのワンドのペイジ
状況として出た場合、このカードは「新しいアイデアの芽生え」や「心がワクワクする出来事の到来」を告げます。
たとえば、
・創作意欲が急に湧いてくる
・新しいプロジェクトやチャンスが舞い込む
・心がときめくような出会いが訪れる
など、「何かが始まりそう!」というわくわくを感じられるタイミングを表しています。まだ現実的な段階ではないかもしませんが、その予感を肌で感じ取れるなら、新しい旅はもう始まっているのかもしれません。
③ 成熟のレベルとしてのワンドのペイジ
コートカードには、次のような成長の流れがあります。(※諸説あり)
ペイジ → ナイト → クイーン → キング
ペイジはその最初の一歩、「やる気はあるけど、まだまだ計画はざっくり」という段階です。
無謀なアイデアが出ることもありますが、それは決して悪いことではありません。むしろ、燃え上がる情熱を抑え込むより、一度燃やしてみることが成長への道なのかもしれません。
④ 自分の内面としてのワンドのペイジ
このカードがあなたの内面を示しているなら、それは“心の火がついたサイン”です。
最近、ふと気になることが増えていませんか?
「やってみたい」「楽しそう」と感じるその感覚、それこそが、魂が指し示す方角なのかもしれません。
ペイジのカードは、失敗よりも「挑戦しないこと」を恐れます。大人になると、「うまくいくか」「損しないか」を考えがちですが、このカードは「やってみたいことをやってみようよ!」と無邪気に背中を押してくれています。
逆位置の意味としてのワンドのペイジ
逆位置では、情熱が空回りしているか、逆に「怖くて動けない」状態を示します。
もし「誰かの評価」を気にしすぎて、自分の情熱を押し込めているなら、いま必要なのは、成果を出すことより、モチベーションを持続させることです。
このカードが出たときのアドバイス
・まずは「やってみたい」という気持ちを優先しよう
・完璧じゃなくていいから、一歩だけ踏み出してみよう
・好奇心が刺激される方向を意識してみよう
・最初は小さな情熱でも、育てれば大きな光になる。
ペイジは、あなたに「その初期衝動を信じて」と伝えています。
関連するカード
・愚者:未知に飛び込む勇気など
・ワンドのナイト:ペイジの情熱が実際の行動へと進化した姿
・太陽:子どものように純粋に人生を楽しむ力
ワンドのペイジは、新しいアイデアや情熱の萌芽を象徴するカードです。純粋さや好奇心など、他のカードと共通する部分もありますが、ワンドのペイジは、よりエネルギーに満ちた、初々しい興奮と可能性という側面を持っています。これを意識してリーディングに取り入れると、より深い理解につながると思います。
まとめ
ワンドのペイジは、大航海へと旅立つ前の若き冒険者。
まだ何者でもないけれど、「やりたい!」というその気持ちが、いつか世界を動かします。
ワンドのペイジは、「できるかどうか」よりも、「ワクワクするかどうか」で世界を見ています。今、心に浮かんだ“ひとつの情熱”が、未来を変える最初の一歩になるかもしれません。
