ペンタクルのクイーンの一般的な説明
ペンタクルのクイーンは、小アルカナ「ペンタクル(地・物質・安定を象徴)」のスートに属す女王のカードです。地のエレメントの現実世界・物質面を暗示するため、安定、豊かさ、現実的な配慮、そして母性的な優しさを象徴するカードとなります。
このカードは一般的に、地のエネルギーを成熟させ、物質的・実務的な世界に優雅さと豊かさをもたらす女性像と解釈されます。家庭や仕事、経済的な面において、安定と安心をもたらす力を持ち、その恩恵を惜しみなく分かち合う姿勢を示しています。物質的・金銭的な安定を手にし、それを通じて他者へのケアや環境づくりを行う「成熟した地のエネルギー」の理想的な具現化と言えます。
ライダー版(ウェイト=パメラ版)タロットカードの製作者であるアーサー・エドワード・ウェイトは、この女王のことを「(彼女の)その資質は『魂の偉大さ』という考えに集約されるかもしれない」と詩的な表現をしており、これは、物質的な豊かさに囲まれた女王が単なる財産家ではないこと、彼女の品格や寛大さは表面的なものではなく、「魂の美しさ」が本質にあることを示唆しています。
ペンタクルのクイーンのカードに描かれた象徴

クイーンは、豊かに実った果物や花々、草木に囲まれた自然の中に置かれた玉座に座っています。これは、彼女の物質的な豊かさと安定、そして自然や生命との深いつながりを示しています。
彼女は両手で大きなペンタクル(貨幣)を、大切に抱えています。
これは、物質・財務・現実の成果を表し、クイーン自身がそれを扱う力を持っていることを示しています。クイーンの表情や温かく包み込むような視線は、この物質を富や権力としてではなく、愛情をもって扱う姿勢や責任感を表しています。
コートカードは「重要参考人」!?
タロットの世界では、大アルカナが「運命の転機」、小アルカナ(数札)が「日常の具体的な出来事」を示します。
では、コートカード(人物札)はというと、
それは、あなたの人生に関与している登場人物、または重要な情報をもたらすキーパーソンを表しています。
時にロールモデルとして、時に反面教師として、人生のヒントを与えてくれる存在の彼・彼女らは、あなたの身近にいる人物かもしれないし、また、主人公自身が黒幕だった映画のように、自分自身を象徴している場合もあります。
コートカードの4つの読み方
コートカードは、次の4つの観点から読むことができます。
① 実際の人物:周囲の特定の人
② 状況:カードのエネルギーが反映した状況
③ 成熟のレベル:エネルギーの段階(ペイジ=未熟、キング=成熟)
④ 自分の内面:あなたの本心・今の気持ち
これらの観点から、ペンタクルのクイーンを解説していきましょう。
① 身近な人物としてのペンタクルのクイーン
ペンタクルのクイーンが人物として現れた場合、その人物は優しく、現実的で、信頼のおける、包容力のある女性(またはそのエネルギーを持った人)を指します。以前の記事で、私はこのペンタクルのクイーンに「やりくり上手なセラピスト」というあだ名を付けました。
家庭・仕事・職場などで、あらゆる面をきちんと管理できる人物。 温かく、人をケアする能力が高い人物で、精神的・肉体的・金銭感覚などにも「安心」や「安定」を感じられる人です。つまり財務的にも生活面でも地に足を付け、自立している、余裕のある人物という傾向があります。
もしこのカードが恋人や恋愛対象の位置に現れたら、その人はあなたにとって「安心できる存在」といえます。言葉ではなく行動であなたを支え、家庭や生活の基盤をともに築いてくれそうな人です。将来を見据えたライフプラン(結婚・同棲)などの話題を考えるのが得意かもしれません。ロマンチックな演出よりも、「暮らしを整える」「波乱のない日常を過ごす」ことを重視するタイプです。
恋人や出会いを求めているなら、不動産業、料理人、フードコーディネーター、保育士、看護師、秘書、経理など、育成・世話・安定・物質的な管理に関わる職業の人やケアに関わる職業の人との縁をさがすと良いでしょう。彼らはこのクイーンのような、現実的な優しい助言をくれるはずです。
② 状況としてのペンタクルのクイーン
ペンタクルのクイーンを状況として読む場合は、「物質的・生活的・家庭的な基盤が整いつつある」という状況、あるいは「整えなければならない」ことを示しています。安定と豊かさ、現実的な課題への取り組みが求められている状況です。
恋愛や人間関係での状況としては、包容力のある人物からのサポート、またはあなたが誰かを支える立場になることや、心から信頼し合える関係の構築を表しています。
刺激的な場所や話題やよりも、穏やかに落ち着いて話せる場所で、関係を育てるのが良い時期です。
③ 成熟のレベルとしてのペンタクルのクイーン
コートカードには、次のような成長の流れがあります。(※諸説あり)
ペイジ → ナイト → クイーン → キング
ペンタクルのクイーンは、ペンタクルスートの中でもかなり成熟した段階に位置します。すでに「始まり」ではなく、「成長した実が見え始めている」「成果と責任を伴う段階」です。
日々の暮らしの充足感と精神的な満足感が安定し、そのハッピーな気分を他者に分かち合えるレベルです。
共に生活を整えてきたカップルや、長く続くビジネスパートナー、仲間との信頼関係が根付いたチーム、家族での親交のある友人関係など、安心した基盤の上で次の成長を考えることのできる成熟レベルといえます。
④ 自分の内面としてのペンタクルのクイーン
ペンタクルのクイーンが自分の内面を表す場合、「暮らしの質を上げたい」「環境を整えたい」「誰かをサポートしたい」という「現実的な基盤を整えたい」という意欲が湧いてきている時期を示しています。これまで地道にやってきたことがようやく成果という形になりつつある、という実感がある時かもしれません。
また、自分自身に対しても、十分な休息と栄養を与え、心と体の健康を守る免疫力が高まってきている、もしくは、高めなければいけないという内面からのメッセージかもしれません。
逆位置の意味としてのペンタクルのクイーン
逆位置では、ペンタクルのクイーンの「豊かさ」や「配慮」のエネルギーが、バランスを崩している状態で表現されます。
・過剰な物質主義や安定志向
・過剰な干渉や依存
・家庭や健康がおろそかになる
・自分の価値を低く見積もる
・逆に傲慢になる
・見返りを求めた親切心….など
ペンタクルのクイーンが出たときのアドバイス
・家計や人間関係の見直しを
・五感を満たす時間を持とう
・優しさを表現していこう
・過度な心配は手放して
・地に足をつけて行動を
・日々の習慣を大切に
このカードに出会った時は、今ある豊かさに感謝しながら次のステップを考えたり、生活費や物だけでなく、人との繋がりを見直したりと、自分自身の暮らしを大切に、安心できる基盤を整えることを意識しましょう。
関連するカード
カップのクイーン:感情、直感、精神的な愛情
女帝:創造性、生命力、純粋な繁栄
女教皇:内面・知恵・潜在力
ペンタクルのクイーンは、物質、現実、肉体的な健康や環境などでの包容力を意味します。女性的成熟や精神的な責任という点では共通するカードもありますが、ペンタクルのクイーンはそのエネルギーをより現実的な生活、家庭、経済という具体的なレベルに落とし込んだ姿として表現されます。
まとめ
「ペンタクルのクイーン」は、物質的な豊かさ・実務的な能力・温かく包み込む母性・地に足がついた成熟というエネルギーを象徴するカードです。
このカードが現れたときは、あなたや関係性が「安心できる基盤を築きつつある」「既に成果を出してきている」「これからその安定をどう次につなげるかを考える段階」にあることを意味しています。
そして、ペンタクルのクイーンは、私たちに「真の豊かさとは何か」を問いかけます。それは単なる財産ではなく、安定した生活基盤、心地よい環境、そして周囲への深い愛情と配慮によってもたらされるものです。このカードが提示する「地に足をつけつつ、優しさと責任をもって歩む」というテーマを考えるきっかけとしていきましょう。
