【隠者の意味】正位置・逆位置の解釈とキーワード解説

タロットカード隠者の意味・解説 大アルカナ解説

タロットカード『9.隠者』の物語

隠者/HERMITのカードには、山の頂上に立っている老人が描かれています。彼は左手に権威を表す魔法の杖を持ち、右手には知恵の象徴である六芒星の星を輝かせたランタンを手にしています。これは、精神的にも権力的にも高度な知識を経験を持った賢者であることを示しています。

ライダー版タロットカード-隠者

どことなく陰気さを感じさせるマント姿の隠者は、一般的には「自分の内面と向き合うことで真理を探求する」というような意味を持たされることが多いカードですが、ライダー版(ウェイト=パメラ版)タロットカードの製作者であるアーサー・エドワード・ウェイトは、“彼は、遠くにある真実と、その道の途中の正義を探していると言われている。しかし、これは(略)、探求のカードというよりは達成のカードである”と説明しています。

そして、この隠者は、“「神聖な秘密は、魔術結社によって意図的に隠されたようなものではなく、(占い用の解釈だけを求める人々のように)まだ心の準備ができていない者から自分自信を守る、という真実を意味する」ということを表しているそうで、つまり、隠者の持っている知識や知恵は、占いを楽しむ我々のような一般人には理解ができなくて当然だと示されています。

ユウ
ユウ

ぐ….。精進します!

正位置のキーワードから連想する

隠者のカードが正位置の場合、
内省、内観、熟考、達成、孤独、自己探求、などを象徴しています。

隠者は、自分の経験値や内面から湧き出るアイデアや知識を求める存在です。人生という旅の終わりに、俗世を離れ、一人で過ごすことを選んだ孤独な魂の象徴です。この老人は、様々な経験や知識を得てきた結果、世間の声の届かない場所で過ごし、真理を探求することを選びました。

このカードに出会った時、あなたの本質的な欲や性質を乱すような群衆の声から、適度な距離を置かなければならないことを告げています。

くらげさん
くらげさん

ノーメディアデーを作りましょう!

カラフル三角仕切り

正位置の隠者/HERMITの占い解釈例

金運を占っていた場合

無駄遣いを控え、貯蓄を意識する時期。

恋愛(相手の気持ち)の占い結果

一人の時間を大切にし、内面を見つめ直す。

人間関係の占い結果

孤独を恐れず、自分自身と向き合う時。

仕事運を占っていた場合

静かな努力が報われる。自己成長のチャンス。

YES・NO

イエスかノーかで判断すると….
たぶんNOでしょう
YES・NO一覧表はこちら

逆位置のキーワードから連想する

隠者のカードが逆位置の場合は、
孤独、孤立、隠遁、反社会的、拒絶、社会復帰、という意味になります。

この老人が反対向きで出てきた場合、「自分を振りかえる時間を持ちましょう」というアドバイスになることが多いと思うのですが、むしろ、タロット占いで悩みを相談する方の場合は、「自分を責める時間を作りすぎ」のような問題を抱えている場合もあります。何ごともバランスが重要です、後でご紹介する「探求するスキル」をご覧ください。


タロット占いの最中に、カードが逆位置(上下逆さま)で出た場合、そのカードの持っている意味や解釈が変わってきます。一般的には「意味が反転する」「意味が弱まる」「エネルギーが過剰になる」など、さまざまな解釈や理解があります。例えば、「歓喜」という意味の場合には、

正位置反転(逆)弱まる(逆)過剰(逆)
歓喜失望ささやかな喜び陶酔

このように、嬉しさが失望や落胆に変わったり、ちょっとした嬉しさ程度の意味になったり、現実が見えなくなるくらい快楽に浸る、というような可能性を持つカードの解釈になってきます。

逆位置を無視する場合もある
逆位置を使わない占い師さんもいますし、デッキやスプレッドによっても逆位置を無視する場合は多くあります。その場合はカードが「正位置」で持っている意味や解釈をそのまま適用することが多いです。

カラフル三角仕切り

逆位置の隠者/HERMITの占い解釈例

金運を占っていた場合

孤立や孤独が金銭的な不安を生む可能性。慎重に決定することが求められる。

恋愛(相手の気持ち)の占い結果

関係に距離を置くことで冷え込みが生じる可能性。もっとオープンになる必要がある。

人間関係の占い結果

孤立や一人よがりの態度が関係を遠ざける。交流を大切にするべき時期。

仕事運を占っていた場合

孤立して思い悩みすぎることが成果を得られない原因になる。チームワークを見直すこと。

隠者/HERMITの問いとインスピレーション

自己探求」を意味するこのカードが現れた時、あなたは、あなたに必要な真実と知識の深く重要な感覚が、世界に溢れている雑音の中ではなく、自分自身の中にあることにすでに気が付いています。

このカードと出会い「タロット 隠者 意味」など、思わず検索したその瞬間、あなたはどんな気持ちで、どんなことを占っていたのでしょうか?

真剣な答えを求めて?
背中を押してほしくて?
自分の気持ちを確かめたくて?
解釈の答え合わせをしたくて?

もしかすると、あなたがこのページに辿り着いたのは、偶然ではなく、カードが「ちょっと立ち止まって考えてほしい」と、あなたに語りかけているからなのかもしれません。

ならば、カードに代わって私から問いかけさせてください。

あなたは自分自身と向き合う時間を持っていますか?

隠者/HERMITのスキルとアドバイス

タロット占いをしている時、「大アルカナ」は私たちに「スキルを問いかけてきている」と思っています。そして、そこでリーディングした問いや技術は、タロット占いを繋いできた人々の百年の知恵であり、人生を生き抜くための至高のアドバイスであると感じています。

では、隠者のカードの持つスキルとは何でしょうか?
それは、「探求する技術」だと思うのです。

静かな夜、ランタンを手にした隠者が、あなたの前に現れます。彼は、山の頂で孤独に過ごす賢者。あなたの心が迷っていることを知っている彼は、そっとあなたに語りかけます。

「物事の奥に隠された真実を見つけるには、じっくり観察し、問いを重ねることが大切だよ」と。何かに疑問を持ったら、「なぜ?」「どうして?」と自分に問いかけるクセをつけていますか?。「なぜ私はこの状況にイライラしているのか?」と自分の心を掘り下げると、自分の価値観や隠れた期待に気づくことがあります。一つの答えに飛びつかず、別の立場から物事を見る習慣をつけることも大切です。

思考することの矛盾
隠者のカードがあなたに示すメッセージは、「自分自身を見つめ、内なる声に耳を傾けなさい」というものです。自己探求の道を歩むために、深く考察するクセをつけることは大切ですが、そこにはひとつの矛盾があります。それは、「探求する技術とは、考えすぎない技術でもある」ということです。

悩みを抱えたとき、多くの人が「正解」を探そうとします。占いに答えを求めたり、誰かにアドバイスを仰いだりするのも、その正解を見つけたいからかもしれません。しかし、隠者は静かに問いかけます。「本当に正解が必要なのか?」と。タロットカードがくれる答えには、正解も不正解も存在しません。ウェイト版タロットを生み出したアーサー・E・ウェイトは、大アルカナの神聖さを知りながら、占いや予言だけに使うのは愚かな破滅の道を選ぶようなものだと語っています。カードが示すのは、未来を決定するものではなく、あなたが気づいていなかった視点やヒントなのです。

深く考えることが大切なのは間違いありません。しかし、それと同時に、考えすぎて迷宮に迷い込まないことも重要です。内観を助ける手法のひとつに「瞑想」があります。瞑想の目的のひとつは、「脳内に溜まった思考のキャッシュをクリアする」ことです。目を薄く開け、呼吸に集中し、ぽつぽつと頭に浮かんでくる言葉や感情を意図的に「追わない」ようにする時間を作ることで、心を静め、集中力があがり、質の高い思考をできるようになります。

隠者はランタンの優しい光の中、静かに導いてくれます。自己探求とは、深く考えながらも、考えすぎないバランスを取ること。その道を歩むあなたの足元を、隠者の灯す光が優しく照らされているのかもしれません。