【教皇の意味】正位置・逆位置の解釈とキーワード解説

タロットカード教皇の意味・解説 大アルカナ解説

タロットカード『5.教皇』の物語

教皇のカードには、教会の二本の柱の間に座る男性の姿が描かれています。この男性は、三位一体を表す三重の王冠をかぶり、教皇の証である三重の十字架/トリプルクロスを左手に持っています。このことから、この絵の男性が教会の最高位聖職者・指導者である『教皇』であることが理解できます。日本では、法王大司祭司祭長と呼ばれることもあります。

ライダー版タロットカード-教皇

教皇は、神と人間の間に橋を架ける、精神世界の最高権力者です。

足元には交差した(天国の扉を開くための)鍵があり、聖職者を表す衣装を着た二人の人物がひざまずいています。この二人の人物に対して、教皇は秘密の印を結び、神の祝福を示しています。

ライダー版(ウェイト=パメラ版)タロットカードの製作者であるアーサー・エドワード・ウェイトは彼のことを“人類全体の救済者”と表現しており、この精神世界の聖職者にしか担えない役割があるということを示唆しています。

正位置のキーワードから連想する

教皇が正位置の場合、
モラル、伝統、精神的な知恵、教育、人徳、規律などを象徴しています。

教皇に似たようなカードの「皇帝」は、現実世界の最高権力者で、この教皇は精神世界の最高権力者ということになり、もうひとつの似たカード「女教皇」は秘教的で内向的な力の支配者なのに対して、教皇は公の道徳や宗教の支配者、ということになります。

カラフル三角仕切り

正位置の教皇の占い解釈例

金運を占っていた場合

堅実な運用が吉。アドバイスを求めると◎。

恋愛(相手の気持ち)の占い結果

信頼関係が深まる。婚約や結婚の暗示も。

人間関係の占い結果

落ち着いた誠実な対応が信頼を呼ぶ。

仕事運を占っていた場合

上司や部下。周囲との協力が成功の鍵。

YES・NO

イエスかノーかで判断すると….
状況によるでしょう
YES・NO一覧表はこちら

逆位置のキーワードから連想する

教皇が逆位置の場合は、
反抗、独りよがり、型破り、不信感、適応できない、怠惰、という意味になります。

逆位置の教皇は、多すぎる規則や制限の中で精神的に束縛され、がんじがらめになっている状況や、あなたが周りに対してそのように対応していることを示唆しています。この逆位置で現れた教皇は、会社・学校・家庭などで、周囲の同意を得ることや、社会的に承認されることよりも、自分の思いや直感とコンタクトを取ることを優先するように促しているのかもしれません。


タロット占いの最中に、カードが逆位置(上下逆さま)で出た場合、そのカードの持っている意味や解釈が変わってきます。一般的には「意味が反転する」「意味が弱まる」「エネルギーが過剰になる」など、さまざまな解釈や理解があります。例えば、「歓喜」という意味の場合には、

正位置反転(逆)弱まる(逆)過剰(逆)
歓喜失望ささやかな喜び陶酔

このように、嬉しさが失望や落胆に変わったり、ちょっとした嬉しさ程度の意味になったり、現実が見えなくなるくらい快楽に浸る、というような可能性を持つカードの解釈になってきます。

逆位置を無視する場合もある
逆位置を使わない占い師さんもいますし、デッキやスプレッドによっても逆位置を無視する場合は多くあります。その場合はカードが「正位置」で持っている意味や解釈をそのまま適用することが多いです。

カラフル三角仕切り

逆位置の教皇の占い解釈例

金運を占っていた場合

伝統的な方法や保守的なアプローチが金運に良い影響を与えない時期。

恋愛(相手の気持ち)の占い結果

古い価値観や伝統に囚われている場合。新しいアプローチが必要。

人間関係の占い結果

固定観念にとらわれた関係、または形式的な付き合いになりがち。

仕事運を占っていた場合

慣習に囚われすぎると、新しい方法やアイデアを取り入れられない。

教皇の問いとインスピレーション

「精神世界の指導者」を表すこのカードは、人物で言えば宗教家や教師など、道理を説いたり知識を教えたりする立場の人を示しています。上司や先輩など、経験が豊富な目上の人を表している場合もあります。

教皇や司祭といわれても、西洋の宗教に馴染みのない人にはその立場をイメージしにくいかもしれませんが、その肩書きのひとつ、神の意志を受けて代行する「神の代理者」という意味においては、日本の古代の「天皇」のような役割を持っていたとも考えられます。

あなたがこのカード引いた時、「教皇 タロット 意味」などで検索をした時、どのような気持ちで、どのようなことを占っていたのでしょうか?

その時のあなたの心理状態は分かりませんが、重要な決断をしなければいけないなどの責任やプレッシャーを感じていたのかもしれませんし、もしかすると、「道徳や伝統を守りたい」との思いを潜在的に心に秘めているのかもしれません。

しかし、偶然、このサイトに辿り着いたあなたに、「教皇のカード」に代わって、私から問いかけさせていただきます。

あなたは自分にとって良い教師ですか?

教皇を引いたら、どうしたらいいの?

タロット占いをしている時、「大アルカナ」は私たちに「スキルを問いかけてきている」と思っています。そして、そこでリーディングした問いや技術は、タロット占いを繋いできた人々の百年の知恵であり、人生を生き抜くための至高のアドバイスであると感じています。

では、教皇の問うスキルとは何でしょうか?
それは、「導き、導かれる技術」です。

教皇のカードに出会った時、あなたが、先人によって作られたルールやロールモデルの範囲内に収まっている留まいることを示しています。今のところ。リスクを冒してまで、新しいアイデアを提案したり実行したりする気はあなたにはなく、確実な成功につながる実績のある原則とルールに従おうと思っています。

しかし同時に、なれ合いの慣習的な束縛から解放されたいという願望を持っています。型破りな方法を試してみたり、少しだけグレーゾーンなアプローチを考えてみたり、社会的なつながりや規範に反することを実行したくなります。

教皇のカードは、確かな道を歩むことの安心感を教えてくれます。しかし、その一方で、型にハマったままでいいのか、自分自身に問いかける瞬間をもたらします。

なぜそのルールに従うのか?
誰の期待に応えようとしているのか?
それは本当に自分の信じる道なのか?


教皇のカードは、伝統や慣習を尊重しつつ、自分の価値観を問い直す機会を与えてくれます。慣習の導きに従うことも、そこから一歩踏み出すことも自分で選ぶことができるのです。

大切なのは、ただ従うか反発するかではなく、「慣習」と「自分の意志」のバランスを見極めること。その自分の価値観を問い直す時だということです。この時、誰かに相談したり教えを乞うことは、自分を見つめ直すきっかけになりますし、逆に誰かの相談にのってあげた時に指導者としての自分の意見を発見するかもしれません。

このカードに出会った時、心の中で「導く側の自分」と「導かれる側の自分」の意見を交換しシミュレーションすることで、自分の価値観を再評価することが求められているのかもしれません。その選択の先にこそ、あなたの本当の答えが待っているのだと思います。