タロットカード『19.太陽/SUN』の物語
太陽のカードには、生命の源を表す黄金の太陽の下、白い馬に乗って赤い旗を掲げている裸の子供が描かれています。純粋性を表す白い馬、勝利の凱旋を思わせる赤い旗、後ろには8段に積まれた灰色の壁があり、そこから外の世界へ飛び出し、束縛から解放され自由の喜びを感じているようにも見えます。
太陽からは交互に波打った光とまっすぐな光、合わせて21本の光線が出ており、愚者のカードから数えたタロットの秘密である21枚の大アルカナ カードを象徴しています。

ライダー版(ウェイト=パメラ版)タロットカードの製作者であるアーサー・エドワード・ウェイトは、この太陽の光を“太陽とは精神に宿る意識のことであり、反射光に対する対極のものとして直接的な光”と説明しています。つまり、18.月のカードでの(太陽光を反射した)潜在的な淡い光とは反対のエネルギーだということです。
他にも、4本のひまわりは、錬金術の火、水、風、土の4つの基本要素や、カバラの4つの世界(神界、創造界、天使界、物質界など)や、鉱物、植物、動物、人間などの自然界を表しているとされたり、子供の頭に巻かれた12個の花輪(前に6輪の花があるので、後ろにも同数の6輪あると予想して)は、12星座を表しているとされたりしています。
絵の謎は他にもあるのですが、この太陽のカードは、他のカードに比べてあまり詳しく語られてなく、タロット愛好家や占術家が独自の解釈をしている場合が多いカードでもあります。

謎はどうあれ、とてもポジティブな解釈が多いカードです!
正位置のキーワードから連想する
太陽のカードが正位置の場合、
達成、幸福、成功、活力、喜び、自信、楽観主義、真実、などを象徴しています。
今、あなたの内側から溢れ出すエネルギーは、周囲の人々を温かく包み込み、幸福感を与えます。太陽のカードが出た時、あなたは充実感に満ち溢れ、周囲にもポジティブなエネルギーを与えていることを示しています。あなたの前向きで輝くエネルギーは、どこへ行っても、何をしていても、周囲の人々を惹きつけ、幸せと喜びをもたらします。
この太陽のカードの白い馬に乗った子供が頭に付けている赤い羽は、0.愚者のカードや、13.死神のカードに描かれた人物にも頭の飾りとして付けられていて、無邪気な愚者から、精神的な変容があり、再び太陽の元に生まれ変わっことを暗示しています。無垢な魂が、成熟と同時に単純さ・無邪気さを失い、そして再びそれを取り戻した、という精神的な新しい段階をも意味しています。

(この3つのカードには、他にも花、太陽、持ち物、白い生き物などの共通点があります。)

正位置の太陽のカードの占い解釈例
経済的に良い運が舞い込む時期。成功や安定を感じられる。
恋が実る暗示。明るく正直でオープンなコミュニケーションが鍵。
明るい友情や協力が実を結ぶ時。楽しい時間を共有すること。
成功や成長を実感できる時期。自分の努力が実を結ぶ時。
イエスかノーかで判断すると….
YESでしょう
☆YES・NO一覧表はこちら
逆位置のキーワードから連想する
太陽のカードが逆位置の場合は、
挫折、悲観主義、失敗、未熟、うぬぼれ、若気の至り、という意味になります。
逆位置の太陽は、あなたから陽気さやポジティブなエネルギーを感じられなくなっている可能性を示しています。日々の生活にストレスを抱え、自信と力強さを感じることができないかもしれません。楽観主義だけでは乗り切れないかもしれないですが、少しの時間だけでも外の風を浴びて、太陽のエネルギーを活力に変えましょう。
タロット占いの最中に、カードが逆位置(上下逆さま)で出た場合、そのカードの持っている意味や解釈が変わってきます。一般的には「意味が反転する」「意味が弱まる」「エネルギーが過剰になる」など、さまざまな解釈や理解があります。例えば、「歓喜」という意味の場合には、
正位置 | 反転(逆) | 弱まる(逆) | 過剰(逆) |
---|---|---|---|
歓喜 | 失望 | ささやかな喜び | 陶酔 |
このように、嬉しさが失望や落胆に変わったり、ちょっとした嬉しさ程度の意味になったり、現実が見えなくなるくらい快楽に浸る、というような可能性を持つカードの解釈になってきます。

逆位置の太陽のカードの占い解釈例
期待した収入が得られなかったり、予想外の出費が発生する可能性。
一時的な誤解やマンネリ感に悩まされる時期。コミュニケーションを見直して。
無理に明るく振る舞うことで、心の負担が増える暗示。自然体を心がけて。
成果が思うように出ず、自信を失う可能性。焦らず地道な努力を続けて。
太陽のカードの問いとインスピレーション
タロット占いで太陽のカードに出会うということは、もし困難な時期を過ごしているとしても、太陽はあなたが待ち望んでいた未来をもたらしてくれる可能性を意味しています。今、あなたはエネルギーと情熱に満ちており、すでに成功と豊かさが近づくのを感じているかもしれません。太陽のカードは、すべてうまくいくという自信を忘れないようにというメッセージです。
このカードと出会い「タロット 太陽 意味」など、思わず検索したその瞬間、あなたはどんな気持ちで、どんなことを占っていたのでしょうか?
真剣な答えを求めて?
背中を押してほしくて?
自分の気持ちを確かめたくて?
解釈の答え合わせをしたくて?
もしかすると、あなたがこのページに辿り着いたのは、偶然ではなく、カードが「ちょっと立ち止まって考えてほしい」と、あなたに語りかけているからなのかもしれません。
ならば、カードに代わって私から問いかけさせてください。
あなたの人生で、最も大切にしたいことは何ですか?
太陽のスキルとアドバイス
タロット占いをしている時、「大アルカナ」は私たちに「スキルを問いかけてきている」と思っています。そして、そこでリーディングした問いや技術は、タロット占いを繋いできた人々の百年の知恵であり、人生を生き抜くための至高のアドバイスであると感じています。
では、太陽のカードの持つスキルとは何でしょうか?
それは、「満たされる技術」だと思うのです。
太陽のカードは、成功や喜び、心からの充実感を象徴する一枚です。このカードには、純粋な幸福感や自信、前向きなエネルギーが詰まっています。しかし、現実の生活では、「太陽」のように輝くのが難しく感じることもあります。では、どうすれば人生をもっと満たされたものにできるのでしょうか?
1. まずは自分をまるごと愛する
まず、満たされるために必要なのは「自分をまるごと愛すること」だと思います。それは、長所も短所も「自分の色」として受け入れること。太陽は眩しく輝きますが、時には強すぎて日陰に逃げたい時もあります。自分の良い部分と、ちょっと扱いづらい部分を把握して、すべてを自分を形作る大切な要素だと考えてください。
そして、「自分と仲良くなる」ことを意識したり、過去の経験を「糧」にすることも大事です。失敗した経験も、恥ずかしい思いをしたことも、それがあったからこそ今の自分がいます。他人と仲良くなるように、自分自身とも向き合い尊重してください。太陽の光が植物を育てるように、経験もまた、自分の成長を助ける肥料になると思います。
2. 毎日の中に「ごきげんポイント」を見つける
「幸せ」は、遠くにあるものではなく、日々の中に散らばっているものだと思います。小さなことでも、「これ、いいな」と思った瞬間を拾う意識も大切な考え方です。たとえば、朝のコーヒーがちょうどいい温度だった、道端に咲く花が綺麗だった、そんな小さな発見が積み重なると、気持ちが自然と明るくなると思います。
そして、「自分をごきげんにする時間」を確保することも重要です。「自分が好きなもの」「うきうきするもの」を知り、それに触れたり、 美しい景色、好きな音楽、美味しいごはんなど…忙しい日々の中でも、好きなことに時間を使うことで、自分の中の太陽的なエネルギーが回復していくはずです。
3. 心を照らす関係を築く
人との繋がりも、太陽のような温かさを持つために欠かせない要素だと思います。「一緒にいて心地よい人」との時間を大切にすることは、寒い日にポカポカと心地よく温めてくれる太陽の光のように、安心できる人と過ごす時間は、心を温めてくれると思います。それには、「ありがとう」を伝えることや、 誰かの一日を明るくすることを意識して、感謝を言葉にして、ちょっとした手助けや笑顔を向けるだけでも、人との繋がりはより温かくなると思います。
4. 内側から輝くための心のメンテナンス
心の輝きを保つには、適度なセルフケアも必要です。心が疲れたり、ダメージを感じる前に、「心が静まる時間」を作ることを習慣化する、たとえば、朝に深呼吸をする、寝る前にスマホを見ずにゆっくりする…そんな小さな工夫が、心のバランスを整える助けになると思います。
普段から「頑張りすぎないこと」を意識することも有効です。太陽もずっと輝き続けているわけではなく、夜になれば静かな光の月に役目をバトンタッチします。私たちも、適度に休みながら進む方が、結果的に長く輝き続けられると思います。
5. 太陽のように輝き、周囲も照らす
タロットの「太陽」のカードが伝えているのは、ただ自分が満たされるだけではなく、その光を周囲にも広げることの大切さだと思います。自分の気持ちが明るいと、その光は自然と周囲にも伝わっていきます。
太陽のカードに出会った時、自分の「内なる太陽」を信じてください。どんなときも、自分の中には輝く力があると信じることが大切です。
特別なことをしなくても、日々の小さな工夫で「太陽のように満たされる技術」を身につけることができると思います。自分自身を大切にしながら、毎日を心地よく照らしていきましょう。